愛と訓練のワーネバブログ「愛と訓練のワーネバ劇場」の出張ブログです。

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ぐうたらジャム国・PCロア編、その35 00:00
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    4代目ロア編、その35です。
    *

    翌日の30日。
    二人で揃ってタラの港まで出向きました。
    もちろん、フッラの家族を迎えるためです。

    フッラ
    「な、なんだかどきどきしてきました…」
    ロア
    「俺も少し緊張しているよ」
    フッラ
    「何年ぶりかに会うし…何から話したらいいのかしら…」

    その時、汽笛の音がしました。
    海を見ると、船がプルトのほうへやってくるのが見えました。

    少しして船が到着し、そこから金髪の女性が降りてきました。

    フッラ
    「!!」

    その女性はフッラの姿を目に留めると、大きく手を振りました。

    エイル
    「お姉ちゃん!」
    フッラ
    「あ、ああ…」
    エイル
    「久しぶり、お姉ちゃん。元気だった?」
    フッラ
    「エイルちゃん、エイルちゃん…!」
    エイル
    「え、ち、ちょっと、何泣いてるの!?」
    フッラ
    「だって、だって…。もう会えないと思ってたから…」
    エイル
    「バカだなあ。生きていればいつでも会いに行けるんだから…」
    フッラ
    「うん、うん…」
    エイル
    「…もー、あたしまでちょっとうるっときちゃったよ…。あーあ、笑顔で会おうと思ってたのにさ」

    エイルも涙ぐんでいます。

    あの子が前に言っていたすぐ下の妹さんでありましょうか。
    髪の色は違えど、顔の感じがフッラによく似ています。
    さすが姉妹という感じです。

    二人が少し落ちついたところでロアは声をかけました。

    ロア
    「はじめまして、エイルさん。ようこそお越し下さいました」
    エイル
    「あ…(ロアのほうを見て)はじめまして。あなたがロアさん?」
    ロア
    「はい、そうです」
    エイル
    「ふぅーん」

    いきなり、じろじろと眺められました。

    エイル
    「写真で見るよりか実物の方が数倍いいじゃない。良かったね、お姉ちゃん。好みでしょ?
    フッラ
    「な、何言ってるの…!」
    エイル
    「照れない照れない」

    その後も二人は、あれやこれやときゃあきゃあ騒いでいます。

    ロア
    「…(汗)」

    なかなか会話の隙が見当たらず、ロアは二人の間に入ることができません。

    だけど。

    フッラの、こんな屈託のない笑顔を初めて見た気がします。

    妻の顔。

    母親の顔。

    そんな顔が多かったから、こんな幼い顔を、ロアは初めて知りました。

    幼い頃はずっとこんなふうに、父母も元で、兄弟達の中で、友達の中でずっと笑っていたのでしょう。


    *


    エイル
    「へえ、議長さんなんだ。凄いね」

    自宅の議長会館邸へと招いて、たくさんのご馳走――もちろんフッラの手作りです――が並べられました。

    エイル
    「――これ、イムっていうんだ? おいでおいでー(なでなで)。きゃー、ぷよぷよっ! 触り心地いい! いいないいな、持って帰りたい!――」

    エイル
    「あ、ご飯美味しい! さすがお姉ちゃんだなぁ。作り方教えてよ――」

    エイル
    「――うんうん、ベルカナちゃんね。あたしはエイルっていうの。『おばさん』じゃなくて、『お姉さん』って呼んでね!」


    …。


    …なんというか。


    フッラの兄弟だから、もっと大人しい人かと思っていたのですが。

    対照的にもの凄く賑やかな人でした。
    ベルカナともあっという間に仲良くなってるし。

    フッラ
    「エイルはお父さんによく似てるんです」

    ということは、フッラは母似というわけだ。

    エイル
    「あ、そういえばさ、お姉ちゃん。下に妹ができたって聞いた?」
    フッラ
    「うん…前に手紙に書いてあったけど…」
    エイル
    「実はねー、あの子の下にまた子供ができてね…」
    フッラ
    「まあ、本当?」
    エイル
    「うん、お姉ちゃんがいってから、4人も下ができたよ」
    フッラ
    「4人…」

    …ということは。
    フッラがいた時、既に6人だって聞いたから…。

    ロア
    じ、10人…!?

    …。

    正直、頭がくらくらしました…。

    4人でも大変なのに…。
    フッラのご両親はよほどの子供好きなんだな、と思います。


    エイル
    「――ねえねえ、お義兄さん」
    ロア
    「な、なんですか?」

    いきなり話を振られたのでビックリしました。

    エイル
    「議長やってるし、武術も強いんでしょ?」
    ロア
    「…まあ、少しは」
    エイル
    「少し、ね。謙遜しなくたってあなたが強いって充分分かるよ。ね、あたしと勝負しない?」
    ロア
    「ええっ!」
    フッラ
    「え、エイルちゃん!?」
    エイル
    「実は父さんに、どんな人なのか確かめてこいって言われててさ。でも、今は純粋にあたしの興味」
    ロア
    「…エイルさん」
    エイル
    「あたし、結構強いよ」

    エイルは挑戦的な目でロアを見ます。

    分かります。
    立ち居振る舞い。
    この人はできる、とロアは直感的に思いました。

    ロア
    「分かりました」


    *


    (コーク闘技場)


    早い――!


    剣を交えた瞬間に思いました。
    力はそれほどではありませんが、あっという間に次の攻撃に移っています。


    ロア
    (…力の足りなさを技術で補う戦い方だな…)


    次はこちらから――


    と思う前に、相手に攻撃されてしまいます。


    ロア
    「くっ…」
    エイル
    「攻撃しないと、点数稼げないわよ!」
    ロア
    (このままじゃ…)


    隙を見つけなければ…


    なぎ払った直後。


    次に構える瞬間――


    ロア
    (…今!)
    エイル
    「!!」

    ロアのブレイズソードが決まったところで、タイムアップになりました。

    エイル
    「強いね! こんなにわくわくしたの久しぶり!」
    ロア
    「あなたもさすがですね」
    エイル
    「あなた、じゃなくて、エイルでいいって。そういうとこお姉ちゃんに似てるね。似たもの同士? 怒らせると結構怖そう」
    ロア
    「そ、そうかな…」
    エイル
    「でも、これならお父さんも納得すると思う。良かったね、お義兄さん?」
    ロア
    「ど、どうも…」

    そういえば、いつだったか「怒らせると怖い」ご両親だったと聞いたことを思い出し、ぞっとしてしまいました。


    *


    それから瞬く間に賑やかな時間は過ぎて言って、エイルが帰る時間がやってきてしまいました。

    エイル
    「ごめんね。あたしも母親になったからさ。あんまり家を空けられないの」
    フッラ
    「分かってるわ、無理は言えないから…体にはくれぐれも気をつけて」
    エイル
    「うん」
    ベルカナ
    「エイルさん、また会えるよね?」
    エイル
    「会おうと思えばいつだって会えるわよ。それに、ベルカナが会いに来るっていう手段もあるのよ」
    ベルカナ
    「…うん」

    フッラやロアだけではなく、子供達も名残惜しそうにしています。

    フッラ
    「お父さん達によろしく伝えてね」
    エイル
    「うん。お姉ちゃん達も元気で!」

    そう言って、エイルは笑顔で帰って行きました

    ロア
    「素敵な妹さんだね。きっとご家族も素敵な人たちなんだろうな」
    フッラ
    「…はい、お父さんもお母さんも、バル君やヘズ君もみんな…」
    ロア
    「ねえ、フッラ。今度は俺達が会いに行こうか?」

    フッラが驚いた顔でロアを見つめました。

    ロア
    「君の家族に会ってみたいんだ」
    フッラ
    「…はい!」


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