愛と訓練のワーネバブログ「愛と訓練のワーネバ劇場」の出張ブログです。

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ぐうたらジャム国・PCロア編、その15 00:00
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    4代目ロア編、その15です。
    *

    537年が始まります。

    1日。
    今年はDD杯の年で、大道芸がやってきます。
    物珍しいこともあり、仕事道具を借りた後、フッラと一緒にその様子を見に行きました。

    フッラ
    「わあ、凄い…!」
    ロア
    「楽しい?」
    フッラ
    「はい、楽しいです…! あ、ロアさん、ほら、見て――」

    大道芸が終わると、珍しく興奮気味なフッラを家まで送りました。

    翌2日。

    仕事始めで、やはりストークが婚約のことについて突っ込んできました。

    ストーク
    「聞いたよ、婚約したんだってね。おめでとう」
    ロア
    「ありがとうございます」
    ストーク
    「結婚式には是非参列させて貰うよ。だけど、まさかこんなに早く結婚するだなんて思わなかったよ。この間カロンが結婚したばかりなのにさ」
    ロア
    「ストークさんもディスティナがいるじゃないですか」
    ストーク
    「うーん」
    ロア
    「…いや、まぁ、いいですけど」
    ストーク
    「だって、ツッコミが激しいんだよなぁ、ディスティナって。ほら、僕、繊細だから、その度に傷ついてるんだよ」
    ロア
    「…」

    頭を捻って難しい表情をするストークの言葉がどこまで本気かは分かりませんが、まあ、人はそれぞれだものな、と思いました。

    シャーリー
    「あら、婚約したの? おめでとう」

    そこに入ってきたのはシャーリーさんです。

    ロア
    「はい、昨年末に。ありがとうございます」
    シャーリー
    「まだまだ子供だと思ってたのに、早いわよねぇ。うちの娘もきっとこんなふうにすぐに大きくなっちゃうんだわ」

    シャーリーさんには、ヴァシリーサという一人娘がいました。

    ストーク
    「だけど、ヴァシリーサちゃん、シャーリーさんに似てもの凄く美人ですよね。成人したらきっとすぐ人気者になりますよ。シャーリーさんみたいに」
    シャーリー
    「あら、上手いこというじゃないの。でも、うちのヴァシリーサはあげないわよ。そうね、ロア君になら考えても良かったけど」
    ストーク
    「ちぇ、厳しいなぁ」
    ロア
    「ええっ!?」
    シャーリー
    「ふふ、冗談よ、冗談。ここからが本番なんだから頑張りなさい」


    本番…そうだ、ここからがきっと本番なんだ、とロアは自分に活を入れたのでした。


    *


    今年の試合は4勝し、来年Cリーグ入りすることが決まりました。
    また一つ、階段を昇った気がします。

    そして、結婚式当日の10日。
    朝、出て行く間際、リカリアが少し咳き込んでいました。

    ロア
    「母さん、どうかした?」
    リカリア
    「…風邪かしら。困ったものね、息子の晴れ舞台の日に。式が始まるわ、早く行きなさい」

    少しばかり心配でしたが、午前の式だったので、慌てて神殿に向かいます。





    そして、親戚、友人、たくさんの人達に祝福を受けて、フッラと夫婦になりました。
    新居はバハ区の東。
    仕事場から近い、バハウルグ員にとってはとても良い環境です。
    だけど、リム所属の彼女にとっては少しばかり不便なところですが。

    フッラ
    「私は平気です…。これまでもバハ区住まいでしたから慣れてるし、ロアさんが少しでもラクになるのなら、そっちのほうがいいです…。ロアさんに頑張ってもらいたいから」

    フッラはそんなふうに言ってくれました。


    その夜。

    母リカリアは、前回優勝者としてミダ杯決勝で戦いましたが、朝、風邪を引いたといっていた母は、ステップブロウを一回相手に当てただけで、すぐに疲労の色を見せ始めて、255対9で挑戦者に敗れてしまいました。

    兄カロンが、ロアの隣で難しい顔をしてました。

    カロン
    「…覚悟をしておいたほうがいいかもな」
    ロア
    「…えっ?」
    フィロ
    「そうだね…」
    アトル
    「…」

    母への不安は残ったままでしたが、結婚したばかりのフッラの前でそんな姿を見せることはできず、笑顔で家に戻ると、二人きりの初めての夜を過ごしたのでした。


    *


    そして、結婚してから6日後の16日。
    やはりあの夜に感じた不安は本物となってしまいました。

    その日、朝の鐘と同時にもたらされたのは、母リカリアの危篤の報せでした。

    フッラ
    「そんな…リカリアさんが…」
    ロア
    「…」

    ショックを受けているフッラを伴って評議会館邸に行くと、義父のメジが、見舞い客の対応に追われていました。
    議長ということもあり、なかなか客足が途絶えることはありません。

    暫くして随分少なくなった頃に、ようやくロアはリカリアに声をかけました。

    ロア
    「具合はどう?」
    リカリア
    「その声はロアね…。心配かけて、ごめんなさい…」

    口数は少ないけれど、あれだけ強かった母のこんな弱々しい姿に、ロアは少なからずショックを受けました。
    父が亡くなった時も、気丈だったのに。

    それからメジと一言二言話して、帰ろうとしたところ、珍しくアトルがロアに声をかけてきました。

    アトル
    「…なあ、兄貴…」
    ロア
    「…?」

    アトルは更にやってきた見舞い客と話をしているメジのほうをちらりと見ました。
    メジさんがどうかしたのだろうか?

    アトル
    「…ううん、なんでもないよ」


    それから翌17日。
    母リカリアはワクトの元へと召されました。
    葬式には国中の人たちが参列しました。

    ジュリア
    「もうすぐ、孫が生まれる予定だったのに…」
    カロン
    「ああ、見せてやりたかったな…」

    そんなふうに言ってるのは昨年結婚式を挙げた兄夫婦です。

    フィロ
    「お父さんの時もそうだったけど、なんか、あっけないもんだね…」
    アトル
    「…」

    フィロとアトルは、ずっと俯いていました。

    フッラ
    「お義母さん、…もっと教えてほしいことがたくさんあったのに…」
    ロア
    「…うん、俺もだよ…」
    フッラ
    「ロアさん…」


    フッラの体を抱き寄せて、思いを馳せます。



    母さん…。



    きっと向こうでは父や祖父母に何かしら言われてるんだろうな。



    まだ来るのが早いよ、ってさ。


    リカリア・ワグナー
    517年14日生〜537年17日没(享年20歳) 性格:まさに優等生
    ジマAリーグ2位 3S:159・178・138 戦績:65勝18敗37KO 連勝記録:12回
    リム1位 仕事ポイント:19412 メダル:全て
    役職:ジマショルグ長4回、評議長4年
    獲得タイトル:コーク杯(2回)、ジマ杯(1回)、イム争奪戦(2回)、ミダ杯(2回)
    称号:剣豪、大魔導、輝ける王者、イム使い、メダリスト、ミスプルト


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