愛と訓練のワーネバブログ「愛と訓練のワーネバ劇場」の出張ブログです。

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ぐうたらジャム国・PCロア編、その8 00:00
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    4代目ロア編、その8です。
    今回から536年が始まります。
    (今回から具体的な年代を表記していこうと思います)

    ※少し追加してます。
    *

    536年1日、朝。

    母が成人式の準備をしています。
    今年は息子アトルと、そして、年の離れた妹アニタが成人するということで、いつも以上に張り切っている様子です。

    メジ
    「ね、ねえ、リカリア。これで大丈夫かい?(服装と髪型をチェックしている)」
    リカリア
    「…大丈夫よ、メジ。それに、親が式で何かをするわけでもなし」
    メジ
    「そ、それはそうだけど」

    義父メジも、初めての親としての式出席におろおろとしています。

    リカリア
    「…あ」
    ロア
    「どうかした?」
    リカリア
    「…まあ、いいわ。たぶん大丈夫でしょう」
    ロア
    「…?」
    リカリア
    「行って来るわ」

    そう言ってメジを引っ張って出て行きました。

    ロア
    (ん? あ、そういえば許婚の子が今年来るって…。移住者って毎年1日に来るんじゃ…?)

    疑問に思いつつ、ロアも仕事道具を借りようと外に出ました。

    ストーク
    「なあ、カロン。そろそろ結婚の予定あってもいいんじゃないの?」
    カロン
    「お前、ホントそういう話、好きだなぁ。そういうお前こそどうなんだよ?」
    ストーク
    「僕のことはこっちに置いておいて」
    カロン
    「置いておくなっつうの」

    ギブル販売所の前でそんな話題で盛り上がっているのは兄カロンと従兄ストークであります。
    ジュリアだのディスティナだの、お互いの恋人の名前が何度も出ています。
    ストークはいい人なのですが、こういう話題に過剰反応するのが玉に瑕、というやつかもしれません。
    あの二人が一緒の時はあまり関わりたくないな、と気付かれないように神殿前を通り抜け、大通りを出たところで、見慣れない少女が地図を片手にうろうろしていました。


    「…ええと…、ここが大通りで…南が…で、北が…」

    ロア
    「…?」


    「あ!」

    瞬間、少女とロアの目が合いました。
    すると、少女は一瞬驚いた顔をしましたが、懐から紙のようなものを取り出し、それとロアを何度か交互に眺めた後、ロアの方にかけてきました。


    「…は、はじめまして…(ぺこ)」
    ロア
    「あ、はあ。は、はじめまして?(軽く頭を下げる)」

    「…これ、お土産なんです…。貰って下さいませんか…?」
    ロア
    「え?」

    手渡された物を思わず受け取ると、彼女は微笑みました。
    気の強そうにも見えた雰囲気が一転、柔らかいもの変わりました。

    ロア
    (…!)

    何かがロアの背を走ったようですが、とりあえず落ち着いて対処することにします。
    どうやら、この少女は移住者であることには間違いなさそうです。

    ロア
    「ええと、移住者さん、だよね?」

    「はい。ブラッドと申します…」
    ロア
    「えと、うん。ブラッドさんね。それは分かったけど、どうしてこれ(お土産)を僕に…?」

    普段は一人称が俺なのに、僕に変わってますよ、ロアさん。


    「え…? …あの…ロア・ラドリーズさん、ですよね…?(おろおろ)」
    ロア
    「そうだけど。どうして僕の名前を?」

    「…え、え、え…? 聞いて、いませんか…?」

    少女は不安げな顔でおろおろしています。
    そういえば、どこかでこんな感じの顔の子を見たことがあるような、ないような。

    そこに成人式を終えたのか母リカリアがやってきました。

    リカリア
    「何してるの、ロア?」
    フッラ
    「黒い衣装…議長さん…! この度、移住してきましたフッラ・ブラッドと申します。はじめまして。これから宜しくお願いします」
    リカリア
    「…ああ、あなたが」
    ロア
    「??」
    リカリア
    「ロア、さっきから何ぼーっとしてるの。あなたの許婚よ」
    ロア
    「…は?」


    そうです。

    どこかで見たことがあると思えば、あの写真の少女なのです。
    もう一度よく見れば、少女の面影が見られます。
    聡明そうな雰囲気の顔だとか。印象深い緑色の瞳だとか。

    フッラ
    「宜しくお願いします」

    少女はリカリアに紹介されて安心したのか、緊張を解いて再びあの笑顔を見せました

    ロア
    「…」


    再び、何かがロアの背に走ったようでした。


    *

    その夜。
    評議会館に若者の荒げる声が響き渡りました。

    ロア
    どうして教えてくれなかったんだよ!
    リカリア
    「…何が?」
    ロア
    名前だよ!
    リカリア
    「…誰の?」
    ロア
    許婚の!
    リカリア
    「だって聞かれなかったもの」
    ロア
    「お約束のボケはもういいって!!」
    メジ
    「ろ、ロア君、お、落ち着いて…!(おろおろ)」

    フィロ
    「吼えるなんて珍しいね」
    カロン
    「まあ、分からないでもないけどなー」

    アトル
    「…あの人、何やってんの?」

    面白そうに遠巻きに見ていたロアの兄達の傍にやってきたのは成人して雰囲気が変わった弟アトルです。

    フィロ
    「うん、なんかね。今日、許婚だっていう子が移住してきたらしいんだけど」
    カロン
    「初対面で少しばかり失態を見せちゃったらしいから、吼えてるみたいだぞ」
    アトル
    「…くだらねー」
    フィロ
    「そういうふうに言わない。女の子にかっこつけていたい微妙な年頃なんだよ」
    アトル
    「…どんな人?」
    カロン
    「ん?」
    アトル
    「その許婚だって人」
    カロン
    「綺麗な子だったぜ。なあ?」
    フィロ
    「うん。…でもさ」
    アトル
    「何?」
    フィロ
    「あの子、ちょっと顔立ちが母さんに似てなかった?」
    カロン
    「…」

    …。

    ロアのマザコン説が少しだけ浮上しました。


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